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イラストレーター・Kouが語る、日々の創作活動の重要性

2024.03.21
  • 鈴木 樺恋

  • オバラ ミツフミ

  • 本人提供

目次
INFORMATION
イラストレーター
Kou

ひとくちに「クリエイター」といっても、描き出すクリエイションは色とりどり。その背景には、バッググラウンドや譲れないこだわり、そして個性がある。

私たちが愛する「あのイラスト」は、いったいどのような思考回路をたどり、どのような技術によって生み出されているのだろうか。

クリエイターたちが歩んできた人生に焦点を当て、自分好みの色でクリエイター人生を彩ってきたヒストリーを明らかにしていく連載「人生のふであと」。

今回のゲストは、フォロワー数20万人を誇る人気イラストレーター・Kouさんです。
イラストを上げればたちまち反応は1000件以上。近年はグッズ制作にも着手するなど、活動の幅を広げています。

Kouさんのイラストの魅力は、緻密な描きこみとキャッチーな色使い。唯一無二の絵柄が生まれた背景にあるのは、とあるイラストレーターへの憧れと、無風でも描き続けた日々です。

プロとして絵を描いていくために必要な心構えとは、いったいなにか——。Kouさんの“ふであと”をたどっていきます。

誰に頼まれるでもなく描き続けてきた

──── Kouさんがイラストを描き始めたきっかけを教えてください。

物心ついた頃から、誰に頼まれるだけでなく絵を描いていました。幼稚園でも、一人でスケッチブックにクレヨンで絵を描いている子だったそうです。

小学生になると、今度は漫画の模写に熱中しました。当時は自分以外で周りに絵を描く人がいなかったので、親や友だちに褒めてもらえるのが嬉しくて、たくさん描いていましたね。

──── 小さい頃から、イラストレーターになることを目指していたのでしょうか。

小学生の卒業アルバムには、「将来はイラストレーターになる」と書いていました。

どのような絵を描いていて、どのような仕事をしているかを具体的にイメージできていたわけではありませんが、昔から絵を描くことを仕事にしたいと思っていたようです。

──── イラストレーターになるまでに、どのような時間を過ごしてきたのでしょうか。

絵を本格的に学び始めたのは、美術系の高校に進学してからです。イラストは完全に独学なのですが、デッサンや色彩など、ここで美術の基礎を学びました。

自分の作風の“核”ができたのも、この頃です。高校1年生のときに、イラストレーター・漫画家の寺田克也さんのイラストに出会い、彼の表現に魅了されてずっと真似をしていました。

寺田さんのイラストを見ていただくと、私が絶大な影響を受けていることが分かると思います。私の作風の特徴でもある、線の描きこみや浮世絵のようなテイストの源泉は、寺田さんへのリスペクトから生まれているのです。

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──── Kouさんのイラストの特徴に、「緻密さ」があるように感じます。画力はどのようにして向上させたのでしょうか。

振り返ってみると、画力を向上させるのにも、自分の世界観を確立するのにも、SNSに絵をアップする習慣が役に立っていた気がします。

まだ「自分らしさ」を確立できる以前に、自分の趣味を詰め込んだイラストをアップしたのですが、これが多くの人の反響を呼んだのです。「このまま描き続けてもいいんだ」と自信を持つことができたのは、創作するうえでの大きなモチベーションになりました。

また、自分の作品を人目に晒すとなると、やはり完成度にこだわりたくなるものです。ただの趣味で終わらせず、「誰かに見てもらえる作品をつくろう」というモチベーションで描いてきたことも、現在につながっていると思います。

絵描きの根底は「画力の追求」

──── イラストレーターとして、初めてのお仕事はどのようにして獲得したのでしょうか。

お仕事をいただけたのも、SNSに作品をアップしていたことがきっかけでした。作品を見ていただいた方に、MV制作の依頼をいただいたのです。

当時は高校生だったので、現在よりも画力が低く、「もっとうまく描けたはず」という反省はありますが、絶えず自分の作品をアップし続けたからこそ得られたチャンスだったと思います。

──── 当時から、たくさんのフォロワーがいたのでしょうか?

いえ、全然です。もちろんアカウントを開設したタイミングでは誰もフォロワーがいませんでしたし、初めてお仕事をいただいた際も、誇れるほどの数ではなかったと思います。

現在はたくさんの方にフォローしていただいていますが、たとえ無風でもコンスタントにイラストをアップし続けた結果です。

最近は大学や仕事で投稿頻度が落ちてしまいましたが、それでも月に1枚は必ず新しいイラストをアップするようにしています。

自由に絵を描く時間がいちばん楽しいというのもありますが、絵を描いてSNSにアップし続けた習慣が自分をイラストレーターにしてくれたことを忘れていないので、これからもオリジナルな創作活動を続けていくつもりです。

──── イラストレーターとして仕事を獲得するうえで、Kouさんが考える重要な要素はどのようなものですか?

誰かの目に触れるというのが重要ですが、その際は「この人にお願いしたい」と思ってもらわなければいけないので、やはりいい作品をつくることが何より重要だと思います。

何をもって「いい作品」かを判断するのは難しいのですが、やはり「絵がうまい」というのがいちばんの武器になると感じています。

設定が練られていようが練られてまいが、コンセプトがあろうがなかろうが、ビジュアルのインパクトが強ければ、それだけで人の心を掴むことができますし、説得力が生まれる。そうであれば、やはり画力が重要なはずです。

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正直、自分はまだまだ画力が足りないと思っているので、技術を向上させる意味でも日々の創作活動が必要不可欠です。

そのうえで、例えば線の緻密さや色使い、浮世絵のようなテイストといった自分らしさにも磨きをかけていく。地味に感じるかもしれませんが、この繰り返しがイラストレーターとして生きていくための最短の道なのではないかと思います。

キャリアの可能性を拓いた、R11Rとの出会い

──── R11Rとの関わりのなかで、印象に残っているお仕事はありますか。

テレビ番組『ダウンタウンDX』の30周年企画に参加したことです。30人のイラストレーターが、30年分のダウンタウンさんを描く企画で、私は2010年度のビジュアルを担当させていただきました。

これほど大きな企画は、個人単位で活動していたら参加できなかったはずです。テレビ番組とのコラボ企画にまで活動範囲を広げることができ、これからのキャリアにも期待を持つことができました。

──── 池袋PARCOとの共催企画「​Emotions2023​」にもご参加いただきました。

「​Emotions2023​」では、サイン会やライブペイントといった企画にも参加させていただきました。

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普段はフォロワーの方と接点を持つ機会はありませんが、「応援しています」といった声を直接かけていただけて、本当に嬉しかったです。

SNSでのやりとりとはまた違った感動がありましたし、「もっと頑張らないと!」と創作活動のエネルギーをいただけました。

R11Rさんには、私がイラストレータとして本格的に活動を始めるタイミングで声をかけていただき、本当に運がよかったと思います。

やはり個人では、活動範囲に限界がある。R11Rさんは私に代わって営業をしてくださり、お仕事の幅を広げてくださるので、とても感謝しています。

プロになりたいなら、描くしかない

──── 現在は大学に所属しているそうですが、今後はどのようなキャリアを描いているのでしょうか。

これからもR11Rさんと一緒に、フリーランスのイラストレーターとして活動していく予定です。数年後には個展を開いたり、画集を出したりできるレベルを目指しているので、学生生活はそのために時間を使いたいと思います。

夢のまた夢ですが、中学生の頃から大好きな米津玄師さんと、人生のどこかでお仕事をするという目標も持っています。もしその夢が叶うなら……と夢想すると、大変なことも乗り越えていけそうです。

──── 最後に、イラストレーターを目指している方に向けて、Kouさんからアドバイスをお願いします。

まずは、勇気を出して自分の作品を発表してみてください。たとえ納得のいくクオリティではなくても、自分よりも優れた作品があっても、発表しないことにはお仕事にはつながりません。

翻って、SNSが強い影響力を持つ現代では、発表さえすればお仕事になるチャンスがあります。勇気を持って作品を世に出すこと、それが何より大切です。

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画力を上達させるのにも、SNSが役に立ちます。SNS上には優れた作品をつくる方たちがたくさんいて、作品のリサーチをするのにぴったりです。

優れた作品に触れることはとても重要で、そこからインスピレーションを得たり、技法を学んだりしていけば、自分のレベルを高めていけます。

そして、描き続けてください。天才ではない限り、継続なくして上達することはありません。

これからも努力を継続し続けなければいけない未来に軽く絶望することはありますが(笑)、イラストレーターとして生きていくにはそれしかない。

私も頑張って創作活動を続けていくので、つらくなったら、「Kouも頑張っているはず」とこの記事を思い出してほしいです。



鈴木 樺恋

『でみたす!』プロジェクトマネージャー・編集者。コンテンツの企画・製作を担当。画塾で絵を学んだ経験から、「描く側のニーズも満たすコンテンツづくり」を目指しています。

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